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子供の頃、学校の理科室や病院の待合室で目にした人体模型…。一見気味悪くもありましたが、多少なりとも生物に関心を寄せる「理科少年」であれば、できることなら手元に置きたい…と、一度くらいは密かに願ったことがあるものです。講談社より出版された「こどもライブラリー 立体モデル大図鑑」は、そんな少年時代の「夢」を叶えてくれる貴重なシリーズ。現在までに、「人のからだ」、「恐竜のからだ」、「サメのからだ」、「タランチュラのからだ」の4冊が翻訳・刊行されています。 このうち「タランチュラのからだ」は、体の仕組みについて解説したページごとに、外骨格、鋏角・牙と毒腺、循環器系、消化器系、神経系、生殖器官、糸腺、筋系…といった各器官の精巧な模型が用意されているユニークなもの。1つ1つページをめくっていくことで、まさにタランチュラを解剖しながら、体の構造と働きについて視覚的に理解を深めていくことができるという、実に画期的な教材です。 本書は、もともと子供向けとして企画されたものですが、頭から子供だけのものと決め付けてしまうのは、あまりにももったいないと言えます。タランチュラの体の構造というものは、実際に飼育している私たちにとっても、知っているようで知らないことが意外と多いものです。タランチュラの生態についてより深く理解しようとするなら、やはり体の構造や働きを知ることは不可欠でしょう。そうした意味で、本書が絶好の教材となってくれることは間違いありません。もちろん、タランチュラに限らず、クモに関心をもつすべての人にお薦めしたい大変優れた企画です。 なお、訳者の八幡明彦氏は、日本クモ学会会員として、在来のクモの野外生態に関するフィールドワークなどを精力的に行っている研究者です(ちなみに、イシガキアオグロハシリグモの学名、Dolomedes yawataiは氏に対して奉献されたもの)。また、タランチュラについても、海外の飼育・繁殖技術をいち早く国内に紹介してきた、言わばその道の第一人者でもあります。
■こどもライブラリー 立体モデル大図鑑 タランチュラのからだ |